シンプルで使えるワンポイント・ソフト


パソコンで使われるアプリケーションソフトには、実用的なものから冗談ソフトまであって、その種類は多い。 また、データ処理ソフトやワープロソフト、通信ソフトのように非常に多数のジョブを実行する本格ソフトもあれば、 ここぞと言うときに役に立つようなワンポイント・ソフトもある。これから話すのは、ワンポイント・ソフトのお話だ。

パソコンを始めて間もない頃は、ゲームとかスクリーン・セーバーとかのビジュアルなものを好んで使うが、そうしたアプリはいずれ飽きてくる。 しかし派手さはない代わりに、ここぞというとき便利で、いつまでも使いでがあるソフトがあって、パソコンを使いこなすようになると、 そうしたソフトの発掘に魅力を感じるようになるものだ。

私がまだオンラインソフトというものをよく知らない頃、Clip Decoder というソフトを作者・前薗 健一氏のホームページ(http://www.st.rim.or.jp/~ken-mae/、現在は http://www.synapse.ne.jp/~kmaezono/clipdecoder/)からダウンロードした。 これはホームページ上でアンケートなどをとるとき、インターネットからメールに送られてきたメッセージが Ascii コードに変換されて読めなくなるので、 これを元の文字に変換して表示してくれるソフトだ。(いずれホームページを作ったとき必要になるなと思ってダウンロードしましたが、 今は CGI の助けを借りているので出番がありませんでした。)HP作成の入門書などにも紹介されているので、ご存じの方も多いだろう。 それまでソフトと言えばパソコンにプリロードされたものしか知らなかったので、「へえ、こんな便利なツールもあるのか」と思ったものだ。 (「ツール」という言葉もこの頃覚えた。(^^;)

Clip Decoder の場合はデータを自分自身のウィンドウ内で変換する方式だったが、奥川博司氏の Sendfont というソフトは他のアプリのウィンドウを選択することによって、 そのウィンドウ内のフォントをシステムフォント(ボタンやダイアログなどシステムで使用されるフォント)に変換するというツールだ。 これは特に日本語に対応していない外国のソフトを使用するときに、文字化けした日本語のファイル名を元に戻すとき役に立つ。 しかし他アプリのウィンドウ内の文字を変換するというのは、当時の私には魔法のように思えた。

今や Windows 用の解凍ソフトとしては定番となった、竹ちん氏作 Lhasa の名前を知らない人はいないだろう。 かつては圧縮ソフトを解凍するにも DOS ウィンドウを開いてコマンド入力などをしなければならなかったことを思えば、アイコンのドラッグ&ドロップだけで解凍を実現するその手軽さに、 わずか数年とはいえ隔世の感がある。もちろん今では GUI に対応した圧縮・解凍用ソフトでは優れたものが多数登場しているが、 専ら解凍機能しかない Lhasa がこれほどメジャーになっている理由は、アイコンのドラッグ&ドロップだけで何も考えずに解凍できる直感的な使いやすさ、 ヘルプファイルさえ必要とせず初心者にもわかりやすいこと(ヘルプファイルがついた分サイズがでかくなる)、 もちろんフリーソフトであること、 そして特にランタイム dll のような添付ファイルを必要とせず、スタンドアローンで実行できる手軽さが挙げられる。

一般に LHA 系のアーカイバーは unlha32.dll のようなランタイムライブラリを必要とするが、Lhasa はそれを必要としない。 ランタイムライブラリは車で言えばエンジンのようなもので、これを添付する必要のあるプログラムはエンジンを別につないで走っている車のようなものだ。 Lhasa は当たり前のように Lhasa.exe 単体で動く。解凍ソフトに限らず、ランタイム dll. を別に用意しなければ動かないプログラムというのは、 特に初心者にとってはわかりづらい。しかも同名の dll でもバージョンが違っていたりすると、どこどこの会議室に取りに行きなさい、ということになって、 初心者は途方に暮れることになる。

どんなに多機能・高機能なソフトでも、初心者にわかりづらいのは、箸にも棒にもかからない。 私自身、ヘルプファイルの説明を読んでもさっぱり訳がわからずアンインストールしたソフトがなんと多いことか(自慢にならない(^^;)。 初心者の気持ちを忘れたソフトは、成功しないと思う。ワンポイント・ソフトでスグレモノと言えるのは、フリーウェアもしくは廉価で入手できるシェアウェアで、 添付ファイルをごちゃごちゃ必要とせず、使い勝手がよく、かつ初心者にわかりやすいことだ。 メジャーなソフトでなくても、こういうのはどんどん利用してみる価値がある。

デパートの「便利商品掘り出し市」とか、通信販売、或いはテレビ・ショッピングなどでも、廉価で手軽で、しかも、「ほー、こんな便利な道具があるのか」 と思わせるような掘り出し物を見つけることがある。そうしたものの多くは、アマチュア発明家のアイデアであることが多い。 使う側の発想で考えるから、私たちに「ほー」と言わせるのだ。今や誰でも知っている灯油用ポンプやゴミ取り用粘着ローラーも、そうした「小さな発明」から生まれた。 シンプルで使えるワンポイント・ソフトも、それに似たところがあると言っていいだろう。 ソフトメーカーの作る本格ソフトが見落としがちな、「かゆいところに手が届く」一品だ。

こうしたソフトは定番物からあまり知られていないものまで、非常に数多くある。オンラインソフトは、フリーウェアやシェアウェアを紹介しているインターネットサイトで、 そしてパソコン通信のフォーラムで見つけることができる。パソコン雑誌でも、オンラインソフトを紹介し、CD-ROM に収録していることが多い。 どこから入手したらいいかは、人それぞれなので一概には言えない。 ソフトウェアはバージョンアップをよく行うが、雑誌の場合は収録から発売までどうしても日数がかかるのでバージョンアップのテンポに遅れがちなのに対し、 インターネットやパソコン通信の場合は最新のものを入手できる利点がある。一方、雑誌の場合はネットワークに接続していないときでも紙媒体や CD-ROM 上でじっくり選ぶことが出来るのがメリットだろう。

私が最近知った Web サイトの中で特に注目しているものの1つに、おおいしけいじ氏の「アッ!とガッテン」(http://www.bc.wakwak.com/~kei/index.html)がある。 ここでも多数のオンラインソフトが用途別に紹介され、ダウンロードできたり、ソフト作者のページにリンクされていたりしているが、分けてもタメになるのは「ガッテンうら話」という記事だ。 「常駐エディタ」「IP アドレスを知る」「やっぱり 3.04」というようにタイトルの付いた数十の短いコラムからなり、おおいし氏が日常パソコンやインターネットを利用する上で経験し、感じていることを書きながら、 それと絡めて役に立つオンラインソフトを紹介している。必要性が先に書かれているから、どういうソフトが打ってつけかも納得できる。オンラインソフトと言っても何をどう使うか見当もつかない、という人には大変参考になると思う。

そういうところでソフトを探していると、思わぬ掘り出し物を見つけることがある。シンプルで使いやすいフリーソフトなのに、今まで不便だったと思っていたことがそれで解決されたり、パソコン環境が楽しくなったりする。 あなたもそろそろエッチ画像の収集を卒業して(笑)、ソフト収集の醍醐味を発見してみては?

[1998/ 4/24]



次のトピックは「インタラクティブとは何か」です。

目次 | ← 前のトピック | ↑ページのトップ | 次のトピック →

ご意見・ご質問がありましたら「ザ・掲示板」またはメールにて梅ちゃん堂まで