チラシの寄せ集め?


インターネットを揶揄する言葉の一つに、「インターネットはチラシの寄せ集めみたいなものだ」 というのがある。これには、2つの見方があるように思う。

インターネット(ここではもちろん WWW のことを言っている)のホームページが商品広告の手段として用いられるのはいいが、 単に広告だけに終わっていて、ネット上でコンテンツを展開し切れていない、インターネットの特質を生かしていないと 思うことが度々ある。その1つの例は雑誌で、単に新刊誌の目次やトピックスを紹介してあるだけで、あとは書店で 買って読んで下さいという。これではチラシ広告と変わらないと言われても仕方がない。もちろんサーバーの容量の制約とか、 セキュリティその他の問題からネット上で有料コンテンツを展開するのは難しいということはあるだろう。 しかしインターネット上でコンテンツを提供している雑誌もちゃんとあるのだ。

音とか画像のようにネットで提供可能な商品であっても、コンピュータ用のデータはまだまだ音質や画質が劣るという問題も ある。商品が物理的にネット上では提供不可能なものも、もちろん数多くある。しかし電子メールという手段が使える状況で、 相変わらず紙に印刷された案内書やカタログが送られてくるのもどうかと思う。

私は別に紙の文化を否定するつもりはない。私自身、紙に印刷されたものに或る種の愛着を感じている。 なにしろコンピュータやソフトを使うのに、そのための入門書や解説書が売れているのが実状だ。 ペーパーレス時代と言っても、紙の文化がそう簡単に衰えることはない。雑誌にしても、これまで通り印刷されて得られるものと、 ネット上の有料コンテンツとして提供されるものが併存すればよいと思う。

話を元に戻すとして、「インターネットはチラシの寄せ集め」という批判には、もう一つの観点がある。 インターネットがブームとなったのは1,2年前からのことだ。ブームにつられてパソコンを買った人が、 初めてインターネットを体験したとき、「これは面白い」と思う人と「なんだ、こんなものか」と思う人と 2通りあると思う。特に、普段ほとんど本など読まない、見るものと言えばテレビと漫画本だけ、 という人たちが、圧倒的に文字情報で占められているインターネットに魅力を感じるだろうか。 最初はハイパーリンクとかカラフルな画像とかに興味を覚えても、いずれ「もう飽きた」 と言い始めるだろう。スイッチを入れれば、ひとりでに音が出て映像が動いて洪水のように情報が流れ込んでくる テレビで育った彼等にとって、圧倒的に文字と静止画像で占められているインターネットは 「チラシの寄せ集め」のようなものなのだ。

インターネットはテレビと違い、ただ見るだけではさほど面白くない。自分でホームページを作らないまでも、 ネット上で提供されるサービスを利用するとか、メールを送ってみるとか、自分から積極的に何かをしなければ、 その有用さはわからないものだ。だからテレビのように一方的に入ってくる情報を受け身で楽しむのが好きな人には 適していないと言うことができる。

大きくて鮮明な映像がスムーズに動くとか、きれいな音声が自然に流れるといった機能は、 インターネットではまだまだだ。テレビはもう何十年も前からそうした情報形式を発達させてきた。 パソコンのマルチメディア化が進めば、やがてはインターネットもそうしたレベルに近づくのだろうか。 ただマルチメディア化はけっこうだが、そのために資金力のあるサイトだけが魅力のあるコンテンツを提供し、 そうではない一般庶民が単なる情報の受け手に逆戻りするといった方向性だけは、ごめんだ。

[1997/11/?]



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